国民の代表である国会議員になるためには、どのような方法があるのでしょうか。国会議員になるために必要とされる条件や費用について、具体的に解説いたします。
国会議員とは、国民からの直接選挙を通じて選ばれた国会の構成員です。国会議員の活動の場となる国会は、衆議院と参議院の両議院によって構成されているため、国会議員も、衆議院議員と参議院議員に分類することができます。
衆議院議員の定数は465名、任期は4年ですが、内閣総理大臣が解散権を行使すれば、地位を失うことになり、ふたたび衆議院選挙が行われます。
参議院議員の定数は248名、任期は6年で、3年ごとに半数が改選される形となります。
国会議員は、立法機関である国会においてさまざまな法案を審議し、議決を行います。
つまり、国会議員は、わが国の将来を決定する重要な役割を担っているのです。
国会議員としての大切な役割のひとつは、国民からの声を国政へと反映することです。例えば、選挙区選出の国会議員であれば、地元の地域から寄せられる実情に沿った意見を、政策などに盛り込むことで、地域課題の解決を助けることになります。
多様な価値観が尊重される現代社会において、国民生活の幸福度をあげるために働くことができるという点が、国会議員として活動する上での大きなやりがいとなります。
国会議員の年収は、約2000万以上です。歳費と呼ばれる給与は月額約130万円であり、加えて、期末手当として約630万円が支給されます。
さらに、国会議員には、給与所得とは別に「調査研究広報滞在費(旧:文書通信交通滞在費)」が月額約100万円支給されます。調査研究広報滞在費の支出については、領収書が不要であることから、国会議員の第2の財布とも呼ばれています。
国会議員になるための選挙に立候補するには、日本国民であることが必要です。立候補の条件に学歴などは必要ありません。
そのほかの条件については、以下の表をご覧ください。
議員の種類 | 年齢条件 | 権利を失う条件 |
衆議院議員 | 満25歳以上であること。 |
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参議院議員 | 満30歳以上であること。 |
どのような人が、国会議員としてふさわしいとされているのでしょうか。国会は、私たちが生活する社会の縮図です。したがって、国会の構成員である国会議員もまた、多様な価値観をもった幅広い人材が必要とされています。
もっとも、国会議員は国民からの負託を得た人物であることから、国民のさまざまな声を集約し、国政の場においてアウトプットする能力や、国や国民の暮らしをより良いものにしようと努力できる人が求められています。
国会議員になるためには、活動のための費用を用意すること(資金集め)と、活動を支援してくれる人を探すこと(票集め)が最重要課題となります。
国政選挙に立候補するにあたっては、全体としての費用がどの程度かかるのかを把握し、その費用額を前もって用意しなければなりません。費用額を算出した後は、すべてを自己資金でまかなうのか、銀行や家族・知人などから借り入れをするのか、あるいは、広く寄附を募るのかなど、さまざまな選択肢を検討しましょう。
さらに、特に選挙期間に向けて、支援者をどのようにして増やしていくのかも難しい問題です。支援者集めについては、通常、候補者の後援会を立ち上げた上で、後援会全体として考えていくことになります。
国政選挙に必要とされる費用は、一般的に2000万円程度です。
もっとも、立候補にあたり必ず支出するべき費用は、立候補の手続上必要とされる供託金のみです。供託とは、一定の金額を法務局に預けて、証明書を発行してもらうことをいいます。供託の目的は、真面目に当選をする意思のない人による立候補を防止することです。供託金以外の費用については、それぞれの候補者が、公職選挙法によって定められた上限額の範囲内において、自由に定めることになります。
潤沢な資金力によって、大規模な選挙戦を展開する候補者もいますし、対照的に、なるべく費用をかけることなく、アイデアや候補者の個性を重視して選挙を戦う候補者もいます。
ただし、項目によっては上限額が決まっているものもありますので(例えば、ウグイス嬢の日当額など)ご注意ください。
選挙活動にかかる具体的な費用は、以下を参考にして下さい。
番号 | 項目 | 費用金額(目安) |
No.1 | 供託金
(一定の得票数があれば、選挙後に返還される) |
約300万円~600万円 |
No.2 | 事務所費
(テナントやプレハブ賃料・備品・水道光熱費など) |
約100万円~ |
No.3 | 広報費
(看板や印刷物制作・新聞折込・ポスター貼りなど) |
約300万円~ |
No.4 | 通信費
(電話・FAX・インターネットなど) |
約100万円~ |
No.5 | 人件費その他
(ウグイス嬢・事務員・食糧費・交通費など) |
約100万円~ |
国政選挙に挑戦するにあたっては、国政政党に所属することで、選挙活動を有利に進めることができるようになります。
例えば、政党から活動費の提供(寄附)がある、政党所属の地方議員から組織的な支援を受ける可能性がある、政党支持者からの集票が期待できるなど、政党に所属することのメリットはたくさん挙げられます。
政党に所属すること、すなわち党員になることは割と簡単です。通常、政党の公式ホームページにおいて党員を募集していることが多いため、オンライン上で、党員資格のための手続きを完結することができます。
しかし、実際に、政党所属の公認候補者として承認を受け、選挙を戦うことができるか否かについては、党員資格とはまた別次元の話になります。
自民党に入党を希望する場合、先ほど述べたとおり、党員資格を得るだけであれば、公式ホームページ上にて入党申込手続きを行うことができます。または、現職の自民党所属の国会議員事務所において、入党手続きをお願いすることもできます。
しかし、国政選挙における公認候補予定者として認められることは、簡単なことではありません。基本的に、公認候補予定者はそれぞれの選挙区にある政党支部の支部長に就任する必要があります。さらに、支部長の就任には、自民党党本部による承認もあわせて必要とされます。
支部長の就任を目指す場合、さまざまな選択肢が考えられます。公募によって募集・選出することもあれば、自民党の各都道府県連からの推薦によって決定することもあります。
国会議員の国会における仕事内容としては、法律を制定する、国の予算を決めるなどのほか、地元選挙区を代表して、政策の提言や要望を行うことなどがあげられます。
国会には、常任委員会が設置されており、それぞれの分野についての政策や問題点を、より詳しく議論しています。
国会議員の1日はどのようなものであるのか、スケジュール例をご覧ください。
時間 | スケジュール例 |
午前8時 | 政策勉強会に出席する |
午後8時50分 | 国会議事堂へ向かう |
午後9時 | 委員会に出席する |
午後12時 | 選挙区からの来訪者に対応する |
午後1時 | 本会議に出席する |
午後3時 | 議員事務所において地元選挙区事務所との打合せ |
午後4時 | 国会内会議室にて議員連盟会合に出席する |
午後7時 | 経済人との意見交換会に出席する |
自らの選挙区における活動は、国会議員にとって大切なものです。
特に、国会議員は普段地元選挙区から遠く離れており、上京して国会での活動時間が長くなるため、地元選挙区の有権者とのふれ合いが少なくなりがちです。地元選挙区における有権者と直接対話することで、国民目線に立った政策の実現や活動が可能になります。
地元選挙区における丁寧な活動は、選挙での有権者の投票行動にも、大きな影響を与えます。投票率の低下や政治への無関心が叫ばれていますが、多くの有権者は、しっかりと候補者のことを見ています。そのため、有権者と密にコミュニケーションをとることは、次の選挙に向けた活動の一環でもあるのです。
最近は、フェイスブックやインスタグラム、ツイッターなどのSNSなどを活用して、オンライン上で有権者との交流を行う国会議員も増えてきました。インターネットを使った政治活動を促進する流れは、今後もますます大きくなると予想されています。
国政に携わる国会議員として活動するには、幅広い分野の知識が必要となります。国会では、財政、経済、外交、農林水産、教育など多岐にわたる議論が交わされますので、それぞれの基本的知識や最新情報を、日頃から積極的に学ぶ姿勢が求められます。テレビ、新聞、オンラインメディアなどで国内外のニュースをチェックすることから始めましょう。
また、実際に政治活動に参加してみることで、政治や選挙にかかわる知識や経験は飛躍的に高まります。政治に興味はあるけれど、政治活動の経験はまだ無いという方は、気になる議員の集会やセミナーに参加したり、議員が発信する情報をチェックしてみたりすることをおすすめいたします。
国会議員になる条件として学歴は求められていませんが、どのような形であれ勉強を欠かさないことは、国政選挙に挑戦する際の大きな財産となります。
国会議員を目指すにあたって、有利となる大学があるわけではないのですが、同窓生が多い学校だと支援者を見つけるきっかけ作りになる可能性があります。また、同窓会内での政治活動が活発な学校を見つけることも、ひとつの手段です。
国会議員に向いているのは、一概には表現できませんが、やはり、他の人のために一生懸命になれる、熱くなれる人、国民や社会のことを真剣に考えることができる人です。また、実現したい明確なビジョンや政策をもっている人も、国会議員に向いています。
今まさに目の前にあるさまざまな国内外の社会的課題を、国政の場において、特に立法というアプローチで実現するのが国会議員です。たくさんの人と交流して、お互いにコミュニケーションを図ること、周りに対して分かりやすくメッセージを伝えることが、国会議員になるための第一歩です。
国会議員に欠かせない要素のひとつが、有権者からの信頼です。
国会議員が有権者との信頼関係を築くためには、有権者には日頃の政治活動への理解を深めてもらい、一方で、国会議員は有権者の期待を裏切らないことが重要です。
具体的には、自らの行動や発言についてしっかりとした説明責任を果たすこと、選挙の際にかかげた公約や政策を実現するために努力し、その経過や結果を報告すること、公正な判断を行うことで、有権者からの信頼を獲得しやすくなります。
加えて、国民に向けた誠実な発信と、密度の高いコミュニケーションを行うことも、国会議員に求められています。
選挙仕事人では、選挙ポスター、選挙看板、選挙タスキ、選挙カー、スピーカー音響セットなど、選挙に必要なツールを幅広くご提供しています。必要なものがございましたら、どんなことでもお気軽にご相談ください。
また、ご要望に応じて、公職選挙法の範囲内でオリジナル製作も承ります。皆様の選挙活動を全力でサポートし、誠心誠意対応させていただきます。
候補者の皆様からのご依頼を、心よりお待ちしております。
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年中無休で対応しておりますので、どうぞお気軽にご連絡ください。
国会議員は、国民を代表する非常に重い責任を伴う立場です。国会議員になるための政治活動や選挙活動には、費用をはじめさまざまなハードルが存在しますが、国籍や年齢などによる制限を除けば、供託金などの手続きを行うことで、誰でも立候補することが可能です。
国政選挙に興味のある方は、身近な国会議員の政治活動に参加してみたり、国会議員が発信する情報をチェックすることから始めてみることをおすすめいたします。
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