選挙ポスターは、有権者に候補者をアピールするための重要なツールです。
特に、公営掲示板に掲示されるため、多くの候補者の中から目を引くデザインやレイアウトが求められます。本記事では、選挙ポスターのサイズや掲示のルール、さらに効果的なデザインや配色のポイントについて詳しく解説します。
公費負担制度を利用したポスター作成の仕組みや、候補者情報の伝え方にも触れ、選挙戦において有権者の目に留まるポスターづくりをサポートします。
選挙期間中に使うことのできる広報物はさまざまですが、その中で最も有権者の目にとまりやすいのが、選挙ポスターです。
選挙ポスターは、公営掲示板に貼りだされるのですが、選挙区によっては多くの候補者が立候補するため、目を引くような選挙ポスターを作ることがひとつのポイントになります。
候補者の選挙ポスターのサイズは、長さ42cm、幅30cmを超えてはならないと決まっています。(国政選挙においては長さ42cm、幅40cmとされています。)掲示区画から1mmでもはみ出すようなことは認められません。
もし、選挙ポスターにラミネートなどをする場合には、ラミネート部分もサイズにおさまるようにしなければなりません。
選挙ポスターには、表面に、掲示責任者の氏名・住所、印刷者の氏名(法人の場合は法人名)・住所を記載しなければなりません。
それ以外のデザインなどについてのルールはありませんので、基本的には自由に作ることができます。
選挙ポスターは、公設(公営)掲示場所にのみ、貼り付けることができます。
掲示する際には、ご自身や陣営で選挙運動の一環として、一か所一か所に貼り付けていくという方法があります。
しかし、掲示場所はかなり多いため、業者に貼り付けの依頼をすることも選択肢のひとつです。
選挙ポスターが貼りだされていなければ、有権者に投票先の選択肢にすら入れてもらえないことになりますので、選挙ポスターをすべての公営掲示場所に貼ることができなかった、という事態は避けたいものです。
業者に依頼する場合、貼り付け業務に関する公費負担はありませんので、その点にはご注意ください。
貼りだした選挙ポスターは、選挙期間中に剥がれてしまうようなこともあります。その場合には、すぐに新しいポスターを貼り、選挙ポスターが剥がれたまま、ということがないようにしましょう。
候補者は、ご自身の立候補届出順位の番号と同じ番号の書かれている区画に、ポスターを貼ることができます。
ルールを守ってポスターを掲示しましょう。
選挙ポスターは屋外に掲示することになるため、ポスターの印刷紙の種類には配慮が必要です。色が褪せにくく、水や汚れに強いものでなければなりません。
最近は、雨風にさらされたとしても破れにくいユポという特殊な印刷紙で、なおかつ裏面がシール加工されていることで貼り作業がしやすい「ユポタック」を使用するのが一般的ではないでしょうか。
選挙ポスターは、選挙運動を行う上で必要不可欠のアイテムです。
選挙ポスターは公費負担の制度がありますので、金額の上限はもちろんありますが、上限額の範囲内で自己負担をすることなく作成ができます。
公費負担の申請は、候補者が所属する選挙区の選挙管理委員会に行います。申請手続きや必要な書類については、各自治体の選挙管理委員会に確認することをおすすめします。
ただし、供託物を没収される候補者(法定得票数に達しなかった候補者)については、公費負担を請求できず、この場合は、すべて自己負担となることにご注意ください。
項目 | 内容 |
1.氏名 |
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2.写真 |
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3.キャッチフレーズ |
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4.掲示責任者と印刷者 |
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最近はSNS発信している候補者も多く、QRコードを入れることで、候補者の公式サイトや各種SNSアカウントの情報へと導く方法もあります。
投票先を決める際には、ネット検索して情報を入手する有権者も増えつつありますので、QRコードを有効活用するのも一つの手です。
写真は明るいイメージを大切に、笑顔で親しみやすさを感じてもらいましょう。最近は写真の修整技術が発達していますので、修正ソフトで写真を少し加工するのもよい方法です。
歯を健康的な白さにしたり、くっきり入ったシワやしみなどを自然な仕上がりになるようぼかすことで、若々しさを演出することができます。
髪型なども清潔感を忘れず、信頼できる人物であるというイメージを高めることが重要です。
選挙ポスターは、同じ掲示場所に掲示される他の多くのポスターの中から見つけてもらう必要がありますので、色選びも重要な要素です。
ご自身のテーマカラーをベース色として使うことになりますが、ベース色と候補者名の色が似たような色だと、有権者がポスターを見つけにくく、分かりにくいです。
選挙ポスターの視認性を高めるためには、明るい色(明度の高い色)と暗い色(明度が低い色)を組み合わせるような配色にすることが有効です。
選挙ポスターの中に、アクセントカラーを取り入れることで、ポスター全体を引き締まった印象にしたり、アクセントカラー部分に視線を誘導することができます。
アクセントカラーとしては、赤や黄色など、人の視線を引きつける作用のある色がよく使われます。
選挙ポスターのレイアウトにおいて、ポスター全体の面積に対して、最も面積を占めることになるのが候補者の顔です。
ポスター全体に対して候補者の顔が占める割合が大きければ、候補者自身のエネルギーや勢い、インパクトが視覚的に伝わりやすくなります。
逆に、候補者の顔が占める割合が小さければ、伝わるエネルギーは減ってしまいます。候補者の顔が映えるようにしながらも、候補者名が一目で分かりやすいようなレイアウトがよいでしょう。
候補者の顔は真正面を向く場合もあれば、少し斜めを向く場合もあります。ガッツポーズを入れることも、ハツラツとしていておすすめです。
キャッチコピーを考えるときにポイントになるのが、簡潔に短いことと、イメージをしやすいことです。
選挙ポスターをゆっくりまじまじと見る人は少ないので、見た瞬間に理解できるフレーズであることが求められます。
候補者が新人であれば、フレッシュ感や刷新感があるようなフレーズが良いでしょうし、ベテランの候補者であれば、これまでの実績や安定感を訴えるようなフレーズが合っているでしょう。
インパクトのある文言やユーモアあふれるような言い回しをしてみるのも、個性的な選挙ポスターを作るうえで効果的です。
このように、選挙ポスターは候補者にとって、大変重要なPRツールです。
ルールをきちんと守りながら、有権者に効果的にアピールできるようなポスターを制作しましょう。
出来上がった選挙ポスターを貼ることができなかった、というようなことがないよう、分からないことは、選挙区の選挙管理委員会に確認を行いながら制作・掲示することをおすすめします。
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公職選挙法では、QRコードが選挙運動に関わる可能性があり、情報内容の変更や平等性の観点から制限されることがあります。
確実に規制を遵守するため、掲載は慎重に判断しましょう。